予感

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そう、今日から光紀と淕は高校生になるのだ。 中学校の卒業式のあの日。 淕が兄である竜紀が通う柳時学園に行くと聞いた時から、光紀は春休みに行われる入学試験を受ける為に、勉強に時間を費やした。その結果見事合格。 そして今日。二人は初めて柳時学園に行く。それに加え、これから生活する寮に既に送られている荷物の整理と入学式に出る為に、これから迎えがやってくるのを待つため、朝早くから淕の家の前で二人は待ち合わせしたのだった。 「まさか、光紀と一緒にあそこに行くなんて…お前、大丈夫だったのか?」 「うん?なにが?」 「入学試験」 「あ~。確かに、最初は無謀だって言われた」 「また無茶したんじゃ…」 「へへっ俺さ、すっごい頑張ったんだ!」 ドーン!と構え胸を張った。 周りに花が飛んでいそうに見えてくるぐらい、嬉しそうに誇らしげな笑顔を心配する淕に見せる光紀。 その笑顔を見てしまえば、こんな時でもついつい顔が緩んでしまいそうになる。 だけどそれが決して嫌な訳ではない。 寧ろ、その逆。光紀の笑顔を見ていると辛い時や、嫌な時、色んな場面で淕の支えになっていた。 「…そうか」 「うん!だから…その……」 「これからも宜しくな」 淕がそう言うと、光紀は不思議な様な先を読まれたような驚いた顔をした。 「えっ?…あ、勿論!」 一瞬の間が開いた後、再び嬉しそうに二人は互いに微笑みを溢す。 「そろそろかな…」 その言葉と同時に家とは逆の向こうの方から、一台の黒いリムジンが向かってきた。
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