予感

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一年という期間も考えてみれば、物凄く一瞬で過ぎ去っている様な気がする。 そんなわけで…24時間と時間が限られている一日なんて、あっという間に過ぎてしまう。 午前、午後の授業を終え、気付けば放課後。 光紀は机の横に掛けてある鞄を持ち、せっせと鞄の中に教科書などを詰め込み帰る身仕度を済ませていく。 その場解散なので教室に戻ってくる時間を省くために、鞄を持ってそれぞれに分担されている清掃場所へ向かう。 清掃場所は体育館。 教室を出て廊下を歩いていると、光紀。と呼ばれた気がして振り返った。どうも声の主は淕だったらしい。 「掃除場所どこ?」 「今日は体育館だった」 「分かった…終わったら迎えに行くから」 「サンキュー!」 「サボるなよ?」 「む…しっけいなっ」 光紀は空気を吸い込み、拗ねた子どものように頬っぺたをぷくーと膨らませる。 それを見た淕はクスクスと笑いながらも、どこか優しそうな目で光紀をみつめていた。 「うそうそ。じゃあ、また後で」 「ほんとかよー…了解!」 ひらひらと手を振りながら去っていく後ろ姿。 裕に頭一つ分は違うだろう、親友の後ろ姿を、見えなくなるまで光紀は目で追いか続けた。見えなくなって暫くして、体育館へ向かう途中だったことを思い出す。 駆け足で廊下を通り過ぎて行く。
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