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          * * 今日、俺の好きな人が結婚する と言っても、それは花嫁の麻美ちゃんじゃなくて… 彼は白いタキシードを身に纏い心から愛おしそうな表情をして、友人たちと嬉しそうに話し込む花嫁を見つめていた 挙式前の僅かに取れた時間、控え室前まで押しかけた親類や友人たちに挨拶して回る2人を少し離れた窓際でぼんやりと見ていると そいつは何かを探すように辺りを見回し、その目線が俺を見つけて、止まった 彼は花嫁に一言二言話しかけた後、1人こちらへと歩み寄ってくる 目前に立ち止まり、とろけそうな微笑みを浮かべて 「和也、今日は来てくれてありがとうな」 俺の心の“ホント”には全く気づかずに、幸せいっぱいなオーラ全開で振り返って花嫁の麻美ちゃんに笑いかけている 麻美ちゃんもこっちを見て笑顔で手を振っていた それに応えるように手を挙げ、目の前の親友…明彦に視線を移して言葉を贈る 「…おめでとう、麻美ちゃんを幸せにしてやれよ」 今日の俺は、ちゃんと笑えているのかな…? 作り笑いを覚えたのは何年前の事だろう 親友に対する背徳的な想いに気づいてしまってからだから、もう5年近くになるはずだ  
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