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          そんな仁さんは、急に真剣な顔になって 「…大丈夫なのか?」 何のことを言ってるんだろうと意味不明な言葉に戸惑う 「和也くんは、その、明彦の事…」 躊躇うように何かを言いかけた時 「和也…と、兄貴?」 聞こえた明彦の声に振り向くと、意外な組み合わせに驚いたのか不思議そうな顔をしてこっちを見ている 花嫁は自分の友人の席に引き止められていて、その間に俺に声をかけてきたようだ 「あれ?二人って仲良かったんだっけ?」 当然の疑問を口にするから 「や、違っ…」 そうじゃないんだと否定しようとすると、仁さんは何を思ったのか 「ああ、お前の知らないところで仲良くしてんだよ 一度二人で飲んだこともあるし…な?」 と、訳のわからない嘘を言いながら自分に笑み、引き寄せるように肩を抱いてくる それを見た明彦の眼がほんの少しだけ冷ややかになったような気がした 自分の知らないところで親友と兄が会っていたなんて聞いて、きっと隠されたようで面白くないと思っているのかもしれない そんな事実はないのに、本気にされて気まずくなるような事になったら堪ったもんじゃないと、慌てて誤解を解こうと言い訳のように仁さんに抗議する 「ちょっ、仁さん!?何適当な事言って…っ!!」 彼の腕から離れようと少し暴れると、クラリと目が回るような感覚 ―――ヤバい、飲み過ぎた…? 急に動いたせいで、身体中に巡っていたアルコールが一気に活動し始めたような感覚 ドクドクと心拍数が踊る 全身が心臓になったように脈打って視界がぶれる 和也!?と、慌てて駆け寄る明彦に大丈夫だよって笑って言ってやりたいのに上手く声に乗らない だんだんと愛しい人の顔が歪んで…一瞬意識がプツンと途切れた  
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