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「すげ…、ちょっと力抜けよ」
手のひらを俺の背中から胸や腹付近へ往復させて、まだ力が入っている身体を宥めるように滑らせる
まだ涙が溢れてくる目を閉じて、今日の日を呪った
なんでこんな目に合わなきゃいけないんだろう
昼間は明彦の幸せそうな姿に胸を痛め、今はその兄から身体への痛みを受けている
確かに痛みばかりではないけれど
一体なんの恨みがあって兄弟揃って俺を苦しめるんだ?
恨み言ばかりが溢れてくるけど
次第に、行為に慣れた身体は自然と快感を求めるようになってきた
「んふっ、ぁ…」
身体から力が抜けてきて、奥まで侵入している仁さんの形を確かめるように蠢き始める
それを確認した仁さんが緩く動き始めた
焦らすように腰をゆるゆると前後させて襞をなぞるように刺激する
「ゃ、やっ…、抜いてぇ!」
最後の抵抗とばかりに吐いた言葉は、自分の耳にもずいぶん弱々しく響いた
一瞬動きを止めた仁さんが、今度は深く強く穿ってくる
「はっ…、こんなに、吸い付いてるくせに、よく、言うよっ、はぁ」
更に律動を速く大きくして、俺の中心を嬲り続ける
「あ、あぁ、やっん…ダ、メぇ」
「ダメじゃないだろ?…和也」
明彦の声音で囁かれて背後から抱きしめられるとビクリと身体中に電流が走った
勝手にナカをキュッと締め付けてしまう
「んっ…、」
その刺激に色気のある吐息を吐いて俺の首もとにがじりと噛みつき、何かを堪えるように動きを止めて息を詰めた仁さん
でもそれはほんの一瞬で、俺の背中から身体を離し、また手のひらを腰から背中、腕へと滑らせる
やわやわと這う刺激に耐えていたら、突然両手首を背中へと回されて後ろ手に固定されてしまった
「な、に?痛っ」
無理な体勢に腕の付け根が痛んだ
肩をフローリングの冷たい床へと沈め、尻は貫かれたまま浮いた状態になる
想像した自分の格好に羞恥する
床に擦れる肩の痛みまで快感にすり替わり、自分の淫らさに再び泣きそうになった
「ふっ、声を変えただけで締め付けやがって…
イイんだろ?大好きな親友の結婚式当日に、その兄貴に犯されて感じてんだろ?
この…、淫乱」
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