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ヤバい、身体中がギシギシしてる…
目覚めて一番に身体の、主に下半身のだるさと二日酔いでの頭痛に気が重くなった
昨夜は冷たい床で犯されたのに、抱かれているうちに気を失ってしまったらしく気づくとベッドにいた
仁さんが運んでくれたんだろう
「あ、」
そういえば…、と部屋の中を見渡して辺りを確認したけど仁さんの姿はなかった
軋む身体を無理やり起こして身体の状態を確認する
ほぼ四つん這いの体勢だったからか、膝や肘が少し擦りむけていた
体液はある程度清められていてベタついた感じがあまりしなかった
気を失っている間の無防備な姿を見られていたんだと思うと羞恥のような怒りのようなものも感じるけど…
「はぁ…」
仁さんは、何であんな事を…
そんなに嫌われていたのか?
でも嫌われるほど深く付き合いはしていないはずだった
昔だって、家へ遊びに行って出会った時に挨拶する程度のもんで…
男のくせに、自分の弟に特別な感情を持っているから?
でも、嫌いな相手を抱くなんて事があるのだろうか?
だったら何故?
「はぁ…」
再び深く溜め息をつき、無理やり気持ちを切り替える
過ぎた事を悩んだところで仕方ない
好きな相手が結婚してどんなに哀しかろうが酷く抱かれて体調が悪かろうが、嫌でも朝はやってくる
いっそ今日は仕事を休んでしまおうかとも思ったが、まさかヤり過ぎで会社をサボるなんて言えないし…
考えていたら疲れてきて
「ふっ、何かもうどうでもいいかな…」
なんて呟いてみた
若干自棄になっている自分に気づき、頭を振り両手でパシンと頬を叩いて気合いを入れる
とりあえずシャワーを浴びよう
昨夜の事は忘れていつもの生活に戻るんだ
そうすればこの悶々とした気持ちも少しは落ち着くかもしれない
痛む身体を引き摺り浴室へと向かった
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