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「つうか、それは俺も同じだしなぁ」
ボソリと呟いて過去を思い返す
俺なりに彼女たちの事が大好きだった
大切にしてきたつもりもあった
でも、彼女たちが去っていく理由はいつも決まっていて
“私の事が一番じゃないなら、一緒に居ても意味がない”
言われている意味が本当にわからなくて、その都度考えてみたけど
やっぱりわからなかった
でもついこの間、偶然街中で高校最後に付き合っていた元カノとバッタリ出会って、お互い懐かしさから近くのカフェで話し込んだ
その頃の話や今の事
明彦ともまだ遊んでると言うと、彼女は呆れたように言った
「まさか、未だに明彦くんとラブラブなんじゃないでしょうね?」
ふはっ、何気持ち悪い事言ってんだよ
そう笑い飛ばすと、彼女は振った理由を話始めて
「あのねぇ、あんたたちにその気はないのはよくわかってんだけど、何だか2人の空気って入り込めないのよねぇ
それに負けたって感じかな
多分明彦くんの彼女たちも、みんなそうだったんじゃない?」
2人を見てるとお互いを大切にしてるって本当に思うもん
なんて事まで言われて…ちょっと愕然とした
そんな空気を醸し出しているなんて全く気づいていなかったから
確かに明彦は大切な存在だ
なくてはならない、居なくなるなんて考えられない
だから自分の事は棚に上げて、彼が彼女に振られる度に喜んでいた
戻ってきた…、と
でも、それって……
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