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          でも、寧ろ知られて軽蔑された方が楽になれるんだろうか、なんて考えたりもして… 自分からは離れられないから明彦から離れていってくれれば、きっといつか諦めがつくと思うんだけど… 「どうぞ」 そっとカウンターに置かれたグラスを受け取り、友人たちから祝福をうけている二人を見つめたまま一気に飲み干しながら “今夜一緒に過ごす相手、あのバーで…” なんて、自棄気味な思考を浮かべていると、ふと隣に気配を感じた きっと飲みすぎて辛くなった友人が休みに来たんだろうと、それを無視して明彦たちから目を離さなかった ――まるで傷つく事を望んでいるようだな 心の傷の痛みを忘れるため、違う男に抱かれるという自傷行為のような事をしているのに それを無駄にするように自ら傷をつける… 本当に、俺はどうしたいんだろう…? 答えの出ない問題をぐるぐると頭の片隅で繰り返していると 「なぁ、さっきから何見てるの?」 突然隣から聞こえ、その声に思わず振り返った だって、少し明彦に似ていたから… 「ねぇ、何見てたの?」 楽しむような声音で俺を眺めているのは… 「…誰?」 その答えにカラカラと笑って 「何、俺の事覚えてねぇんだ?」 って聞かれても… 俺より少し歳上のようで、何となく見た事がある気がする どことなく明彦に似た面差しは、彼よりも男臭さを感じさせた 落ち着いた大人の雰囲気で、きっと明彦が数年したらこんな感じになるんじゃな… 「あ…」 「思い出した?和也くん」 うん、思い出した 彼は明彦のお兄さんの 「じ、んさん…?」  
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