1、『北原レイカの×××』

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たぶん、俺はもうすぐ殺られる。 間違いなく。 もう、すぐ後ろにぴったりと張りついて、取れないんだ。 あいつの視線が。 ――――――――――――― いつも通りの朝だった。 俺は大きく欠伸をひとつかますと、自分の下駄箱を開いた。 ガチャンと無機質な金属音をたてて開く。 学校指定の内履きに履き替える。 そう、学校に登校したら必ず朝に行うアクションの1つだ。 下駄箱は必ず1日2回は目を通す。 だから…もし。 下駄箱に“何か"が入っていたら否が応でも目につく。 今日がまさにそうだった。 内履きを取らんと手を伸ばした先には…。 一通の手紙。 「…………。」 いや…この封筒…。 めちゃめちゃ何度も見たことがあるんですけど…。 何しろその封筒は、白いレース模様があしらってある薄いピンク色だったからだ。
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