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リオランが顔を上げると、リグレスは表情を緩ませて口角を吊り上げた。
「ご苦労だったな。して、成果は?」
「4つでございます」
リオランの報告を共に聞いていたミーゼルは、声を出して微笑んだ。
「ははは。さすがはリオランどの。新兵ながらにして親衛隊に入っただけありますな。閣下も良い拾いものをしたものですね」
「まったくだ。ライナの親友だったそうだが、いや…親友ではないのかな?」
リグレスが問うと、リオランはすぐさま首を縦に振った。
「畏れながら、オレ…私は閣下のご子息であろうとも、あの男を許すつもりはございません。ご命令あれば、今すぐにでも殺しとうございます」
「ほう…。何と頼もしい。ますます気に入った。だが、まだその時期ではない。察せよ」
「わかってございます」
リオランの余裕の笑みを隣で見たマティルは、眉をひそめながら小さく舌打ちをした。
それは誰にも聞こえないようにしたつもりではあったが、ミーゼルの目はこちらに向いていた。
「それと、もう1つご報告がございます」
「何だリオラン。朗報か?」
「朗報かどうかは閣下がご判断するところでございますが……」
「よい。言ってみろ」
「閣下のご子息ライナ・シェルフォードと、金龍姫の名で知られる裏切り者レイチェル・リーヴェントと遭遇致しました」
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