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その報告を聞いたマティルは、表情を荒々しく変え、リオランの方に体ごと向いた。
「なっ、何?レイチェルが見つかっただと!?」
「はい。しかも、2人は行動を共にしているようでございました。アクアシティでエンシェマを収集しようとしていたところ、偶然遭遇したんです」
その時、ミーゼルが今以上に意味深で不気味な笑みを浮かべていたのは、この広間にいる人間は誰1人気づかなかった。
「ほう…。ライナとレイチェルがか?ハッハッハ!!何という偶然だろうか。それで?」
リグレスの高笑いを聞いたリオランは、マティルに一時落ち着くように促してから、報告を再開する。
「金龍姫の噂は聞いておりましたが、ご命令にはなかったゆえ、戦いにはなりましたがどちらとも生かして参りました。よろしかったでしょうか?」
「生かしたのか?そうだ。それでよい。今殺されては困ったところだ。計画が台無しだからな。よくぞ我慢したな」
「はっ」
リグレスの満足そうな表情を見たリオランは、少しあった不安が吹き飛んだため、ゆっくりと肩を落とした。
「それにしても、レイチェルとライナがなぁ。まぁ、それならばライナが死ぬ確率は低くなる。力を手に入れるまでは、死んでは困るからな」
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