記憶

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小さい太陽の落下。 ライナの得意かつ強力な攻撃力を持った技である。 「直撃したら溶けそうだな。だが、次こそその炎をカチカチにしてやるよ」 セイルの両手から急速に大量の冷気が生まれ、落陽球の行く手を遮る。 冷気は落陽球を蝕むように囲み、徐々に白色に凍てつかせていく。 最終的には氷の塊へと化し、重力に従ってズシンと落ちた。 「まだまだぁ!」 ライナはそれに怯むことなく、炎剣波を連射する。 先頭を行く炎剣波は、凍てついた落陽球をズバンと両断し、第二波以降の行く手を導いた。 「バカの一つ思いじゃ勝てないぜ?」 セイルはそれを読んでいたかのように避け、反撃の体勢に入る。 しかし… 「もらった!」 「!!」 そのセイルの動きをさらに読んだライナが、炎剣をかざして目の前に飛んで来ていた。 先ほどの炎剣波はおとり。セイルが回避でき、かつ視界を遮るために真正面からわざと放ったのである。 刹那、ライナの炎剣はセイルの肩をとらえた。 「くそっ!」 セイルは後ろに倒れこむことで、何とか頬をかすり傷に済む程度でおさめた。 その後、ライナの腹に冷気を集めて破裂させ、吹っ飛ばすことで一旦間合いを切った。
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