記憶

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「な…何でお前は…ズルいぜ。くっ…何でそんなこと言ってくれるんだ?」 ライナはセイルを立たせ、拳を出して答えた。 「決まってんだろ。俺とお前は友だちだからだ」 その時のライナの笑顔は、太陽のごとく輝いて見えた。 『友だち』 自分みたいな男をまだそう呼んでくれる。 友だちの存在はここまで大きいものだったのか。そして、これが本当の友だちの存在だったのか。 こんなひねくれた自分に、全力でぶつかってきてくれるライナ。 彼ももちろん、ヴァンやレイチェル、リリアやミサだって、自分は最後には手離すことができなかった。 過去などより今。そして未来のことが大事ではないか。 家族のことはライナたちと一緒に、自力で探せばいいではないか。 ライナが自分を止めてくれて本当によかった。セイルは涙を拭い、ライナと拳を合わせた。 「すまなかった。本当にすまなかった。オレが間違ってた。オレは、お前を…ライナを友だちに持って良かった」 「ったりめーだろ。さぁ、この戦いを終わらせに行くぞ」 「ああ。急ごう!」 親友2人は、残るナナとフィレスの戦いに幕を降ろすため、正門に走った。
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