219人が本棚に入れています
本棚に追加
「な…何でお前は…ズルいぜ。くっ…何でそんなこと言ってくれるんだ?」
ライナはセイルを立たせ、拳を出して答えた。
「決まってんだろ。俺とお前は友だちだからだ」
その時のライナの笑顔は、太陽のごとく輝いて見えた。
『友だち』
自分みたいな男をまだそう呼んでくれる。
友だちの存在はここまで大きいものだったのか。そして、これが本当の友だちの存在だったのか。
こんなひねくれた自分に、全力でぶつかってきてくれるライナ。
彼ももちろん、ヴァンやレイチェル、リリアやミサだって、自分は最後には手離すことができなかった。
過去などより今。そして未来のことが大事ではないか。
家族のことはライナたちと一緒に、自力で探せばいいではないか。
ライナが自分を止めてくれて本当によかった。セイルは涙を拭い、ライナと拳を合わせた。
「すまなかった。本当にすまなかった。オレが間違ってた。オレは、お前を…ライナを友だちに持って良かった」
「ったりめーだろ。さぁ、この戦いを終わらせに行くぞ」
「ああ。急ごう!」
親友2人は、残るナナとフィレスの戦いに幕を降ろすため、正門に走った。
最初のコメントを投稿しよう!