孤立した光

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ロアギール騎士団正門付近 革命軍リネーディムのリーダーナナと、ロアギール騎士団団長フィレスの戦いは熾烈を極めていた。 光対闇。珍しく、かつ強力な力のぶつかり合い。 ただ、全くの互角というわけではなく、フィレスの闇がナナの光を少し侵食しつつある。 元シェルフォード親衛隊のトップであり、あのレイチェルよりも強いナナが、だんだんと押されている。 これがロアギール騎士団団長の力。ハイムやルミ、ディントたち騎士の頂点に立つ男である。 「はぁ、はぁ…」 「ふぅ。ったく、さすがは元シェルフォード親衛隊筆頭なだけある。この俺様に汗をかかせるんだからな」 「ちっ、これがロアギール団長…。このままじゃ…」 一対一の勝負では、明らかにフィレスの方が上。 セイルがいれば…。ナナは彼を待つしかなかった。 フィレスも疲れている。彼がいれば勝てるのに。 いや、ユーネスでもセリスでも誰でもいい。一刻も早く加勢に来て欲しい。 そう思いながら、ナナは必死に戦い続ける。 「殲滅の光牙!!」 ライナを仕留めた、美しく輝く無数の光の刃。 それはあまりにも高速ゆえ、肉眼ではとても捉えることができない。 しかし、フィレスは予めそれを予感していたのか、闇の盾を目の前に発生させ、殲滅の光牙を暗黒へ誘った。 「くそ!闇…厄介な能力ね!!」 「人のこと言えるか。さてと…そろそろ消えてもらうとするか。おい、バナナ」 「!」 フィレスの片手に、暗黒色に渦巻いている闇が現れた。 それはまるで、ブラックホールかのよう。 全てを飲み込みそうな禍々しさ。同時に、空から押しつぶされているかのような、とんでもない威圧がナナを襲った。 「死ぬまでさ迷い続ける闇に行くか?死んで地獄に行くか…どっちがいい?」
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