告白

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ジオーグ ロアギール騎士団本部団長室 「さてと…ゼウォンとアンナ、ロウファ、シノの隊は帰ってきた、と。あと帰ってきてないのは?」 「ハイム率いる一番隊です」 フィレスとディントが隊の帰還状況について話しあっていた。 ディントはすぐ氷から解放されており、何も傷は負っていなかった。 ロアギールの騎士たちも全くの無傷。医療を主務とする六番隊こそ負傷者を出したが、あれだけの勢力差がありながら、死者を出していないことは奇跡にも近いことだった。 ただ、その奇跡の立役者である少年たちは何人か傷ついていた。 「ディント、お前は何をやってた?なかなか帰って来ないから、途中殺されたのかと思ったぞ?」 セイルが改心し、こちらに戻ってきたことは、ディントは既に知っていた。 それなのに、そのセイルにやられたとは言いにくいだろう。 「申し訳ありません。あの炎の能力者に不覚を取りました」 「ふーん、そうか。まぁ、無事で何よりだ」 フィレスはタバコを口にくわえ、火をつけた。 どうやら追求はされなさそうだ。ディントは心の中でホッと安心した。
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