告白

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ドアのノック音が鳴り、フィレスのやる気のない返事でドアが開いた。 入ってきたのは、今話していた残りの隊の人間であった。 「失礼します」 一番隊隊長ハイムである。 ハイムは一礼をし、ディントの隣で立ち止まった。 「任務を遂行し、ただいま隊を率いて帰還しました」 「よーう、若大将の御帰りか。今回は少し時間がかかったんじゃねーのか?」 「すいません。魔物が逃げ回ったもので…。団長、ナナがここに攻め入ってきたという話を聞きましたが?」 「そうさ」 「団長がいたにしても、隊のほとんどがいない状態でよく被害をあれだけにできましたね」 リネーディム襲来事件は、早速ハイムの耳にも入っていた。 ナナの厄介さを知ってるだけに、ハイムはそのことが不思議でならなかった。 「ハイム、ライナくんという青年を知ってるか?」 「ライナ?あの黒髪の、炎の能力者の?」 「そうだ。彼とその仲間の協力のおかげなんだ。お手柄だったよ」 「あいつらはもうここについていたのか。それはよかった。ということは、セイルもいたか?」 心を改めたとはいえ、彼は今回の事件の首謀者的存在。 ライナから予め話を聞いていた上、死者が出なかったのでフィレスの許しはあるものの、それをどう説明すればいいのかディントはわからなかった。 「あの茶髪小僧のことか。あいつはお前が世話してた孤児だった男だそうだな」 「はい。それが何か?」 「どうせ隠しきれんことだ。ディント、一部始終を話してやれや」 「わかりました…」 「一部始終…?」 ディントは、一昨日の騒動を、最初から話し始めた。
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