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「え…今、何て…??」
「だ、だから、私、ライナさんが好きなんです」
聞き間違いであることを願ったが、レイチェルの表情から笑顔が消えた。
嫌な予感は的中した。まさか、リリアもライナのことが好きだなんてーーー。
「い…いつから?」
「あの…最初は優しい人だなって思ってるだけだったんですけど、エルフィースで私の夢を許してもらうために、母に一生懸命頼み込んだって話を聞いた時です」
「そ…そうなの」
「ただ、レイチェルさんも日頃ライナさんに気があるような仕草が見られたんで…それで、逆にライナさんにもレイチェルさんにそういう気があるように見えて。レイチェルさんにその是非を聞いて、イエスだったら諦めようと思ってました」
「ライナがアタシに…?」
そう言われてみれば思いあたる節はある。ネックレスを突然買ってくれたり、目を覚ますといきなり抱きつかれたり。
しかし、別にそれは決定的なことではない。レイチェルはそういう風に思ったことはなかった。
「ライナさんは…とても優しくて、何度も元気づけてくれました。私、そんなライナさんが好きでたまらないんです」
彼は優しい。自分だってそんな彼の優しさに惹かれた。
しかし、その優しさは何も自分にだけではなかった。そうだ。ミサにだってリリアにだって、ヴァンやセイルにだって、ライナはみんなに優しいのだ。
「私、ちゃんとこの気持ちを伝えようと思ってます。それだけ、レイチェルさんにお話ししておきたくて」
「そ…そうだったの。ま、まぁ、いいんじゃない?別に許可とか取る必要ないよ。恋愛は自由でしょ?」
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