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日はすっかり沈み、夜7時
一番隊隊長室にライナたちは呼び出され、ハイムとルミからの話を聞くことになっていた。
「さて、ようやくジオーグに着いたな。セイル、ヴァン、案内ご苦労だった」
「うっす」
「はーい」
「それと、今回セイルが起こした事件のことについてだが、本当に申し訳なかった。俺からも謝らせてくれ」
「ほら!あんたも頭下げな!」
「うっ、すいませんでした…」
ハイムがライナたちに頭を下げるのを見て、ルミは強制的にセイルの頭を下げさせた。
ライナたちも嫌と言うほどセイルから謝られたので、またされても反応に困るだけだ。
「もういいよ。こいつからはうざいくらい謝られたからな」
「そうよ。セイ兄はバカだからしょうがないけどねー」
ライナとミサの言葉で、ハイムはゆっくり頭を上げた。
「そうか。ルミ、もういい」
「へーい」
ルミは手の力を緩め、セイルは乱れた髪を整えながらライナの隣に戻った。
「これからのことだが…」
「あたしから説明するわ」
ルミがハイムの言葉を遮り、腕を組みながらデスクに座った。
「これまでの旅路で、目当てのエンシェマは見つけたの?」
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