告白

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「いや…見つけてないです」 ライナが代表して答えると、ルミは軽くため息をついた。 「そう。現在、ロアギール騎士団の諜報部隊からの報告では、エンシェマの有力情報は二つ!他は調査したけど全て外れだったわ。厄介よね。エンシェマってのは」 「その情報って?」 「ここから北に行ったところに、『リイス洞窟』っていう気味悪い洞窟があるの。そこの最深部に一つあるとされてるわ」 「何でそこは調査しなかったんすか?」 「出来ないのよ。エンシェマを求めてそこに入った者は1人も帰ってきたことがないの。情報では、最上級魔物が住み着いてるって話よ」 最上級魔物。ライナ、セイル、レイチェルの三人は、ラヴィラノアでのあの悪魔を思い出した。 ゾギアルと名乗り、天界から追放されて魔物にされた悪魔。非常識な強さをほこり、三人がかりでようやく倒した。 それと同じ力量の怪物が、その洞窟に潜んでいると言うのである。 「もう一つは?」 「あくまでもこれはロアギール騎士団固有の秘密情報よ。あんまり簡単に教えるわけにはいかないの。まず、そこを調べてみることね」 「そうっすか…」 「今から調査に行くだろうが、そこはあまりにも危険過ぎることがわかっている。案内含め護衛のため、俺とルミも同行しよう」
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