告白

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「何?ルミ」 「ハイム、あんた団長に明日のこと言わなきゃでしょ?今行けば?」 「今か?別に今じゃなくても…」 先に残った書類を片付けておきたかったハイムだが、ルミの目が無言で『席を外せ』と言っていることに気づいた。 ハイムは別に空気を読めないわけではないし、何よりこれには従っておかねば後で痛い目をみることは明らかだ。 「わ…わかった。行ってくる」 半強制的にハイムを追い出し、ルミはレイチェルと2人きりの空間をつくった。 「何の用?わざわざハイムさんを追い出して」 レイチェルもそれには気づいていたらしく、ルミはソファにどかっと座り、目の前にレイチェルも座らせた。 「他でもないわよ。あんた、ライナくんとはどうなったの?」 「は、はぁ?」 いきなり何を言うかと思えば、ルミはリリアと同じくライナのことを聞いて来た。 「だから、ライナくんとはどうなったかって聞いてんの。チューとかした?」 「いきなり何よ!だいたい、何でアタシがあんなバカとそんなことしないといけないわけ?」 レイチェルは昼の時同様、やはり意地を張って本音とは逆のことを言ってしまう。 しかし、今度は相手が違う。比較的鈍感なリリアではなく、敏感肉食女子ルミなのである。 レイチェルが意地を張っていることくらい、簡単にお見通しだ。 「じゃあ、何も進展してないの?」 「当たり前でしょ!」 「進展してないくらいならまだいいわよ。もしかして、リリアか誰かにライナくんをとられたんじゃないでしょうね?」 あまりに図星でタイミングの良いルミの読み。 レイチェルは意表を突かれ過ぎて、心臓がはね返りそうになるくらいドキッとした。
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