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「何よ、その図星な顔。実際どうなのよ」
「べ…別に」
この際本当のことを洗いざらい話してしまおうかと思ったレイチェルだったが、リリアの想いを簡単に他人に話していいのか、と思いとどまった。
こう見えてレイチェルは口がかたい。しかし、ルミとて口がかたいのは同じだ。
「大丈夫よ。本当のこと言ってごらん。あたしが口かたいのは知ってるでしょ?言うなって言われたら死んでもそれは守るわ」
確かに、ルミならそれは信用できる。レイチェルは警戒をとき、参ったと言わんばかりに一息ついた。
「わかった、わかったわ。言うから」
「そうそう。ルミ姉様に何でも話してみ?」
それからレイチェルは、自分はライナが好きだが想いが伝えられずにいること、そしてリリアもライナが好きであることをルミに話した。
ミサやリリアにさえ、ライナに対する想いを言うことはできずにいて、初めてこのことを他人に話した。
自分で言っていて恥ずかしくなり、レイチェルは真っ赤になる頬を必死におさえた。
「アタシは…ライナが好きなの。認めたくないけど」
「ほれ見ろ。やっぱりそうじゃん。あたしの言ったことは当たってたでしょ?」
以前、ルミと最初に会った時にもこういう話をした。その時既に見抜かれていたが、まだ好きだという自覚はなかった。
しかし、今ははっきり言える。ライナが好きだと。
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