アカデミア～もう一つの日常～

ルームメイト

自分の性格なら充分過ぎる程に理解している。
恥ずかしがり屋で上手く人と話ができないし、周りからの印象は大人しいだ。

けど、そんな自分を変えたいと思い、無理と解りながらもＬＣアカデミーを受験した。
結果は何の奇跡が起きたのか合格。

入学式は夢のようだったし、今でも実感は無い。
しかし、これが現実だとしても彼女が今胸に抱くのはＬＣアカデミーで過ごす日々に対する期待では無く不安だった。

「私、大丈夫かなぁ。寮もルームメイトとの二人暮らしだし……」

気が付けば独り言が止まらない。

「上手くやっていけるかなぁ？ 相手の人優しい人だったら良いけど……大丈夫かなぁ……」

と、呟いた後長い溜め息が出た。

そのとき、

「失礼しまーす!!」

明るく大きな声と共にリビングのドアが開かれた。