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あまりに威勢の良い声に驚き、思わず身体が跳ねた。
そして、足音が確実に自分の部屋に向かって来るのが解る。
「すみませーん」
自分の部屋のドアが叩かれる。
彼女は恐る恐るドアを開けた。
「は、はい……」
「あ、やっぱり居た。ども、今日から一緒に住ませてもらう、如月 葵です!!」
そう元気良く挨拶をすると眩しいぐらいの笑顔をくれた。
中肉中背
水色のショートヘアー
顔も可愛く
何より明るく元気な声が印象的だった。
「あ、私はゴルビッド・ルネバルドです」
名前を言うと、目の前の彼女は腕組みをし、何かを考え始めた。
(え? えっ!?)
何か失礼なことを言ったのだろうか?
急に不安に苛まれる。
「よしっ!! じゃあ、ルルで!!」
「ふぇ?」
「呼び名よ、呼び名。これから一緒に住むのに、いちいちゴルビッド・ルネバルドって呼んでたら大変じゃない。あ、私は葵で良いから」
そう言うと葵は笑顔を見せた。
「ルル……」
彼女は与えられた呼び名を呟いた。
「あれ? 気に食わない? 個人的にはゴルちゃんとルネルネで悩んだんだけど……どれが良い?」
悩んだ時間なんぞ見受けられなかったが、葵は尋ねる。
「いえ、ルルで良いです。ありがとう」
「いえいえ。改めて宜しくね」
「は、はい!!」
葵は再び笑顔で、そう言った。
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