ルームメイト

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葵を見送った後、ルルは溜め息を着いた。 「何で一緒に行くって言えないかなぁ……」 自己嫌悪に苛まれ、ルルの気分は重くなる。 本当は部屋の片付けなんて後回しで良い。 学園の探索も楽しそうだ。 それに…… 「ありがとう。手伝って……今なら言えるのに」 葵が差し伸べてくれた手すらも、自分は払ってしまった気がした。 あと一歩、相手に踏み込めたなら あと少し、相手を受け入れられたなら 「何か『きっかけ』があればなぁ……」 そう言って、彼女は気分が乗らないまま部屋の片付けを再開した。
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