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「ねぇ村長さん、なんでこの村の畑はあまり実ってないのかしら?これだけの面積の畑がちゃんと実れば、村人全員がある程度豊かに生活できると思いますけど」
女性は困ったように笑いながらいいました。
「この辺りは昔からまったく雨が降らないのよ。だから作物を育てるのも遠くの川から水を汲んでこないといけないの。村の中の井戸はもう全部掘り尽くしちゃって、枯れてしまったしねぇ…」
それを聞いたユキは悲しそうな顔をしました。
「どうして雨が降らないんですか?」
リィは村長さんに尋ねました。
村長さんは困ったように笑いながら、
「それがわからないのよ…何故かこの村の周りだけ雨が降らないの。昔からそうみたい」
「そうだったんですか…
それは大変ですね…。僕なんかで出来ることがあればなんでも手伝わせていただきますよ」
と、それを聞いたユキがいいました。
それを聞いた女性は嬉しそうに何度も頷きました。
「あらあら!あなたみたいな力持ちさんにそういってもらえると助かるわぁ。ならお言葉に甘えて明日から少し手伝っていただこうかしら!」
女性はユキの肩をポンッと叩きました。
ユキは、にっこりと微笑みました。
一方リィは、何かを考え込むように、膝の上に頬杖をついていました。
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