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「ねぇ~ユキ~この村気に入ったぁ?」
リィは髪を解かしながらユキに聞きました。
ユキは読んでいた本から顔をあげてリィの方を見ると、
「そうだね。村人のみんなはとても優しいし、いい村だと思うな。別に貧乏なんて僕は気にならないし…。だからちょっとの間ここに居させてもらいたいな」
と、ニッコリ笑いながら答えました。
リィはその答えに頷くと、
「ま、アタシはユキの決めたことには基本ついていくつもりだしぃ。この村もみすぼらしいことを除けばまぁまぁ住み良さそうだし…ねッ!」
と言いながら、ベッドの枕にダイブしました。
二人は村長さんの家の一室を借りていました。
ベッドと机と、机の上に汚れたランプがあるだけの粗末な部屋でしたが、綺麗に掃除されていて特に気になることはありませんでした。
むしろ普段野宿している二人にはもったいないくらいの寝床でした。
「アタシはもう寝るけど、ユキはどうするの?」
「僕もそろそろ寝るよ。あまりランプを点けているわけにもいかないしね」
ユキは本にしおりを挟むと、ベッドに横になりました。
ユキには少々狭いベッドでしたが、体を折りたためば充分眠ることができました。
「じゃあ、おやすみ、ユキ。また明日ね」
「うん、リィ。また明日」
ランプを消して、二人は眠りに着きました。
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