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「村人さんは、やっぱり雨が降ってほしいですか?」
ユキは大きな鍬で畑を耕しているときに、一緒に耕していた男性に尋ねました。
男性は鍬を置き、汗を拭いながら答えました。
「ああ、もちろんさ。雨が降ったら水を汲みにいかなくてすむし、作物もよく育つ。そしたら食べる物に困らないですむしな~」
男性は笑いました。
「だけど、無い物ねだりしたって始まらねぇしな。住む家があるだけまだましってもんよ」
ユキもニッコリ微笑みました。
「ただ、子供達まで働かなきゃならんのは可哀相だなぁ。俺も子供の頃から働いてたが、本当は子子供達には、子供らしく遊んだり勉強したりしてもらいたいもんだよ…」
男性は悲しげに笑いました。
それを聞いたユキは他の畑を見渡すと、子供達も一生懸命働いるが目に入りました。自分の身長と同じくらいの鍬を振る子もいれば、大きな瓶から畑に水をやっている子もいました。
大人も子供も、みんな汗だくになって働いていました。
「雨…か…」
ユキは大きな鍬を振りながら呟きました。
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