Rain

13/22
前へ
/33ページ
次へ
「で、今まで何を書いていたの?」 ユキは枕の上で寝そべりながら気持ち良さそうにマッサージされているリィに尋ねました。 リィはそのままの体勢で自信ありげに答えました。 「フッフッフ~聞いて驚いてね、ユキ…!!なんと…!」 リィはもったいをつけて一呼吸おきました。 「この村に『雨』を降らせる計算をしていたのだぁッ~!!」 俯せに寝そべったまま、リィは手足をバッと広げました。 ユキは驚いて、思わずマッサージする指に力が入ってしまいました。 「イダイイダイッ!!ぅぐぇ~…!じぬ~…!!」 「ご、ごめんねリィッ…!!で、でもリィが使える魔法って風と火の魔法だけでしょ…?雨を起こす魔法なんて使えるの…?」 リィから慌てて手を離しながらユキは聞きました。 「けほッ…けほッ…!もうッ!!ユキのバカ!!あと風と火『だけ』って失礼よ!!2種類の精霊魔法を使える人ってそうそういないんだからねッ!!」 「ご、ごめんごめん…。えっと…、それでどうやって雨を降らせるの?」 リィはむっくりと枕の上に立ち上がり、いいました。 「まだ背中いたいよぉ~あとで撫でてよねッ!? …よぉーし!教えてしんぜようッ!」リィは机の上に、よいしょ…と、よじ登りました。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加