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ユキとリィは舗装された道を歩いていました。
町と町を繋ぐ長い道で、道のはたには距離を示す木製の標識や、案内看板が立っていました。
道の外側には、くるぶしほどの背丈の草が繁っていて、南から吹くそよ風に、サラサラと心地よく揺れていました。
草原は地平線まで続いていて、まるで深緑の海のようでした。
北方向には、緩やかな線を描く低い山脈が、薄く霧がかかっているのでしょうか、ボンヤリと見えました。
二人はその山脈を越えた先にあるらしい、町を目指して歩いていました。
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