1人が本棚に入れています
本棚に追加
「ところでさ、次に向かってる町はとても美しい町らしいね」
ユキは本を読んでいるリィに言いました。
「自然が豊富で、町も綺麗で、住人たちはとても美しいらしいよ。この町の事を教えてくれた鍛冶屋さんが言ってた。あぁ、楽しみだなぁ」
リィは読んでいた本をパタっと閉じると、少し複雑な顔をしながら、
「そうみたいね。自然が一杯なのはとても素晴らしいことだと思うわ。でも、ユキ君はなんで美しい住人が楽しみなのかしら?」
リィの眉は逆ハの字になっていました。
ユキは困った顔をしながら、
「いや…別に見た目が綺麗な人に会うのが楽しみってわけじゃないんだよ…。美しい住人っていうのは、見た目より心が美しい人達なのかなって思って…」
ふーん…。とリィは返しました。
「まぁ、よくよく考えたらあんたが見た目で人を選ぶわけないわよね~」
リィは長い髪を指先でクリクリ弄びながらいいました。
リィはユキの顔を見ていたずらっぽく笑いながら、
「ま、そのうえアタシは見た目も美しいし、心も美しいからあんたが目移りするわけないものねぇ~」
ユキは頬を掻きながら、
「はは…そうだね」
と返しました。
リィは返事の代わりに、ユキの頬をバシィッと叩きました。
最初のコメントを投稿しよう!