―1話―    手遅れになった彼女の心

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彼女は パニックを起こし 泣き叫び 怒って暴れて家具を壊したかと思うと 突然、しゃがみこんで 僕に謝り始めた。 まるで何かに取り憑かれたような 信じらんない彼女の姿を見てしまった。 スズネ『テツ ゴメンネ‥』 放心状態の細い彼女の声に 僕は胸をしめつけられた。 だって 彼女は普段明るくて よく笑っていて 誰にでも優しくて 子供好きで 清潔感があって なにより 可愛い。 そんな彼女の変わり果てた姿を見てしまった僕は少し 呆然と立ち尽くして動けなくなってしまっていた。
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