少年の自覚

6/14

0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
ランタンの仄かな明かりは父によく似合っていた。 いや、似合っていたでは語弊があるだろうか? その日の父は特に機嫌が良かったので、その穏やかな雰囲気をランタンの明かりがより際立たせていて、いつもより優しい父に見えた。 「父上、今日は何だか機嫌が良いね。」 子ども特有の敵意の無い笑顔でそう言った。 だって本当にそう思ったから。 しかし、返ってきた父の言葉は残酷なものだった。 「あぁ、顔に出ているか。今日は前から捜していた新教徒のリーダーを火あぶりにできたんだ。これであいつらも大人しくなるだろう。あ、ラースには難しいかな?」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加