嫌いな人はいないはず。

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嫌いな人はいないはず。 今まで自分から嫌いになった人はいない。 喧嘩をすることはあったが嫌いになることはなかった。 朝礼も終わり、一時間目の授業が始まる。 不意にポケットの携帯が震えた。 ―まきちゃん― まきちゃんとは保健室の先生。 ナイスバディのフェロモンたっぷり先生。 すっごく優しくて一人暮らしをしている私には母親みたいなものだった。 「先生、ちょっと保健室行ってくる」 「気を付けて」 国語の岩尾先生はあっさりと答えた。 「またわからなかったら聞きに行くね」 教室を出ると足早に保健室へとむかう。 呼び出しはあっても授業中になど今まで一度もなかった。 どぉしたんだろう……
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