嫌いな人はいないはず。

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保健室につき静かにドアを開けた。 「まきちゃん?」 「ゆうちゃん!!」 声をかけると同時にまきちゃんの香水の匂いに包まれる。 「いらっしゃい。どうしても今来てほしかったの」 「…まきちゃん…いたい…」 思いの外強い力で抱き締められた。 こんな力どこにあるのだろうか……? 「ごめぇん。大丈夫?」 私から離れ、入って。と促す。 「どぉしたの?」 用意された椅子に座った。 「………………」 飲み物を用意してくれているみたいで返事が返ってこない。 「はい。どうぞ」 紅茶の入ったマグカップをわたされる。 「……で?」 一口飲んで聞きなおした。 「……実は………」 私から目をそらし、言いにくそうな仕草をとる。 「………………」 無言の沈黙が流れ……
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