嫌いな人はいないはず。

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ガバッと抱きすくめられる。 「ねぇ、ゆうちゃん。」 「ゆうちゃん!?ってか、離れて!!」 必死に抵抗するがびくともしない。 「俺の彼女になってよ」 「は?………無理!」 なにをいきなり言いだすのだろうか。 「なんで!?」 信じられないとでも言わんばかりの顔と声で聞いてきた。 「だって好きでもないのに無理です。」 「んぢゃあ俺のこと好きになって」 「いやいや、空さん。会って間もな―…」 「そら!!」 「えっ?言いましたけど?」 いきなり話を割って入ってきたかと思うと、自分の名前を言い出した。 ますますわけがわからない。 「さん。なんて付けなくていいよ。むしろ、そら。って呼んで?」 「無理」 「そら」 元々近い距離がさらに縮まる。 「キスするよ?」 それはいや。 「わかりました!!」 「ざぁ〓んねん。キスしたかったのに」 渋々うなずいたが、なぜ私がこんなに振り回されなければならないのかがわからない。
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