嫌いな人はいないはず。

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「今、彼氏は?」 「いないです」 「好きな人は?」 「…………」 一瞬頭の中に龍ちゃんの顔が浮かんだ。 「…いないです」 「なに?その間」 「なんでもないです」 「いる。って顔だね」 「いません」 「でも、まだ付き合ってないってことは、俺の付け入る隙はあるってことだよね?」 自信満々な顔で私を見てくる空さん。 「それはないです」 負けたくない。 「いや、絶対ゆうは俺に落ちる」 真剣な顔に心臓がドクンと鳴る。 「……絶対ない!まきちゃんまたね!!」 それだけ言って、私は急いで保健室を出た。 「またね」 空さんの声がドアの向こうから聞こえた。 「絶対好きになんかなんない」
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