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彼女は自身の震えにすら迷惑そうに苦笑して。
白髪の彼女
「……しかし、そうだな」
ふっ、と白髪の彼女は赤い彼を正面から見たあと、表情を緩ませ、よいしょ、とゆるゆる立ち上がった。
彼女が立ち上がったところで、座っている赤い彼の頭の高さに及ばない小さな彼女。
立ち上がった、けれど小刻みに震える不安定な彼女を赤い彼は腕を伸ばして抱き止める。
ぽてん、と赤い彼の大きな膝に、小さな白髪の彼女が腰をおろした。
白髪の彼女
「寄りかからせてくれると言うならば、それに甘えさせてもらうのも」
赤い彼
「悪くないだろ?」
ぽつり、と小さな声で言葉を紡いでいた彼女の言葉を、にこにこと被せて、引き継いだ。
白髪の彼女はくす、と柔く笑んだ。
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