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何故、白髪の彼女が赤い彼を気遣っているか。
それは簡単な理由。
白髪の彼女が赤い彼の前を歩いていると、ごん、と言う素晴らしく鈍い音がしたのだ。
なんだろう、と白髪の彼女が振り返ると赤い彼が木に顔をぶつけていた。
いたた、と小さく呻きながら、顔をおさえ、彼は木から離れる。
それから、ふらふらとしっかりしない足取りで歩き、しばらくすると今度は何もない場所で転けた。
それはそれは派手に。
だから
白髪の彼女
「眠れなかったのではないか?そなた」
と言う今の状況となっている。
白髪の彼女の心配を耳で聞きながら「うー…」と赤い彼は再び顔をおさえて呻いた。
へたっ、と彼はその場に座る。
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