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「え~、これで午前の授業は終わりです。午後が始まるのは1時間後の1時45分からですので、忘れずに席に付いてて下さいねー」
「起立、注目、礼」
「やっと終わりました……。お腹がペコペコのグーグーです」
授業の後半で我慢の限界に達したお腹が何度も鳴って、とっても恥ずかしかったです。
早く椿ちゃんを誘って食堂に行かねばなりません。
食堂は非常に混むのが普通ですから、1秒でも早く行った方が確実です。
「ふぅ、やっと終わったね」
お腹を押さえながらトロトロと歩いてくる椿ちゃん。
遅いです。
やる気が微塵も感じられません。
……こうなったら。
「椿ちゃん何してるんですか?! すぐに食堂にダッシュです!!」
「えー、歩いて行こ」「レッツゴーです!!」
「ちょ、手を引っ張るなぁああああ!!」
「ゼェー、ゼェー……!!」
「こ、こんなに、急いでも、もう、たくさん、いるんですね……」
息が切れるほど猛ダッシュで来たというのに、テーブルはすでに半分以上埋まっています。
「つ、椿ちゃんが、もっと、キビキビ、行動して、たら……」
「こんなに息切らしてもあたしのせいなの?! つか、途中から私があんたを引っ張ってたよね?!」
「うっ……い、いいから早く食券を買いましょう!!」
「あ、逃げるなっ!!」
鬼のような形相を見せる椿ちゃん。
お腹が空いているからって、あまりイライラしないでもらいたいです。
早く食べたいのはこっちだって同じなんですから。
……うん、きっと私は何も悪くないんです。
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