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「ホントにっ?!! りょーかーい!!」
カウンターの方から目が覚めるくらい元気な声が返ってきました。
周囲はかなり騒然としているというのにハッキリと聞き取る事ができた声の主と思わしき人が、おぼんを持ちながらこちらへと走ってきています。
「お待たせ!! よっしゃ、食お―!!」
オレンジ色でアシンメトリーな髪型をした女の子は、到着するなり私の横にドスンと腰かけて食べ始めました。
向かいでは赤メガネの子も椿ちゃんの横にゆったりと座って、鼻歌を歌いながら食べ始めてます。
「でさ、さっきの話の続きだけどさ、その子勇気出して告ったわけよ。そしたらそいつなんて言ったと思う? 『俺、水属性の子としか付き合わないつもりなんだ』だってよ?!! 馬鹿かって言ってやりたいよね? だから私、それを聞いた後で直接会って、言ってやったんだよ―――……」
(……ちょっと、なんなのこの状況?!!)
(知りませんよ!!)
同じテーブルに私達がいると言うのに、彼女達は何事もなかったかのように会話を始めちゃってます。
相席を承諾しておいてこういう事を思うのはどうかと思いますが、なんか凄く居づらいです。
なんというか、私達のホームだったはずのこのテーブルが一気にアウェイな感じになっちゃいました。
(なんで同席許可しちゃったのさ?!!)
(仕方ないじゃないですか!! だって、こんなにものほほんとした子が、まさかアシメトリーで怖くて、こんなにかしましい子と一緒だなんて誰が思うんですか?!!)
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