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「初日からそんな高いものを食べると、月末が大変ですよ……?!!」
「別にこんなん毎日3食食ったって金には困んないでしょ。ウチ、結構お金持ちの方だからさ」
「も、もっとお金は大事に使うべきです!! お金を持っているなら溜めなきゃダメです!! もしもなくなった場合の為に貯金するのが普通です!!」
金を文字通り湯水の如く使おうとするなんて、なんて子でしょう!!
「貴族が平民にお金の事で説教してる……ありえん」
「お金に貴族も平民も関係ありません!!」
「ん、あんた6組の生徒なのに貴族なの……?」
「超貧乏貴族ですが何か問題があるのですか?!!」
怒鳴るように私が言うと、アシンメトリーが今度は見下すような、哀れむような、なんとも表現出来ない目で見つめてきました。
どうせ貧乏な貴族だからって笑いたいんでしょう、口をあんぐりと開けています。
全く、お金持ちには貴族も平民も関係ありませんね。
「……ん、あんぐりと?」
「あんたが貴族って話がホントなら、それって結構やばいんじゃない?」
「なっ、どういう事ですか?」
「あのねぇ、貴族の人は14組か15組にしか入れないんだよー? あはは、知らなかったんだー」
「えっ?」
「……あ」
嘘ですよね、椿ちゃん。
そう言おうとして困惑の眼差しを向けると、何かまずいことに気付いてしまったような表情を向けてくる椿ちゃん。
「……えっ?」
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