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「椿ちゃぁぁぁぁ」「ふぃー、ごちそーさま。あは、お腹一杯だよー」
「あぁぁ………」
なんというバッドタイミング。
私に泣きつく暇すら与えないとは……この子は鬼ですか。
「でもさ、あたしはくるみと同じクラスで良かったと思うな」
仕切り直しになった雰囲気の中、椿ちゃんがしみじみと呟きました。
「椿ちゃん……」
「あたしもその意見に賛成!! あんたが6組じゃなきゃ、きっとこうやって出会う事もなかっただろうしね!!」
「麻奈美ちゃん……」
なんだかB級映画によくあるような安い友情の展開ですが、素直に嬉しいです!!
麻奈美ちゃんって、実は凄く友達想いの良い人だったんですね。
このギャップのせいで、麻奈美ちゃんから後光が差しているように見えます。
「な、なんだか視界が滲んできま」「あれぇ? 午後って何するんだっけー?」
こ、この小娘……私に泣きつく事すら許さないというのですか?!!
これだからマイペースな人は嫌なんです。
「午後って確かもう授業始まるんでしょ? 最初はみんなで授業説明みたいな事するのかな?」
「あんの狸野郎、午後についてなんっにも説明しないんだもんね。あんなやる気無い奴が教師で良いのかって思わない?!!」
「だよねだよね?!! あたしも同じ事思ってた。大体、生徒に教科書運ばせるってどうなの? 1組だと担任が魔法使って配ってたんだよ?」
狸野郎って担任の武田原先生の事ですか。
確かに小太りで狸みたいな顔してるし、やる気もほとんど感じられませんが、さすがにそれは言い過ぎのような気が。
というか、椿ちゃんとアシメトリーの共感率がエラい事になってきてます。
このままだと、椿ちゃんも近い将来アシメトリーのようにお淑やかさゼロで乱暴な女の子になってしまいます。
それは......困りますね。
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