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「皆さんちょっと来て下さい」
まだ予鈴前だというのに、武田原先生が扉を開けてみんなを呼びました。
……さっきから気になっていたんですが、ものすごくやる気の無い声です。
それに半分死んだような目をしていますし。
「なんだろう? とりあえず行こっか」
「はいっ」
私たちは先生に着いていき、階段を昇って昇ってさらに昇って6階につきました。
正直疲れました。
6階なんて単語マポロンでは10年に一度耳にするかどうかですよ。
そもそも、あの村には木でできた建造物以外ありませんでしたからね。
実は校舎にもひそかに感動してたりします。
……そして、ちょっとだけ不安です。
こんなに高い建物、壊れたりしないんでしょうか?
「椿ちゃん……ちょっと、疲れました……」
「階段くらいで疲れるなんて、獅子鐘の生徒としてどうかと思うわー」
「みなさん、ここの中にあるものを運んで下さいね。詳しくは書いてありますから。それじゃ」
6会に到着するや否や、それだけ告げて勝手におりていく武田原先生。
なんていうか、もう少し居ても良いのではないでしょうか?
放任主義ってやつですね、それも悪い方の。
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