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「今から名前呼びますんで、呼ばれた方は私のところまで来て下さいねー」
「なんであんなやる気ない先生なのさっ?! 辞めちまえ!!」
先ほどの一件からなんとか立ち直った椿ちゃん。
ですが、今度はその反動かちょっと言動が荒れ気味です。
「朝峯くるみさんー」
「はいっ」
「はい、どぞ」
そう言って武田原先生が渡してきたのは一枚のプリント。
「んーと……」
ギルドランク -
ギルドポイント 7
「つ・ば・き・ちゃーんっ!!!!」
「うわぁぁあああ?!?!」
「へぶしッッ?!?!」
抱き着こうとした瞬間、視界がぐるって回って、気が付いたら床に倒れてました。
「……椿ちゃんに柔道技で投げられた……椿ちゃんに」
「私が悪いみたいに言うなっ!!」
「ハッ?! それよりも見て下さいよこれ!!」
「ん? どれどれ。おー、これギルドのじゃん」
「その通りです!! そして、ここですよ!! ここ!!」
「え?……ギルドランクがどうかしたの?」
「はい!! ここに、『1』って書いてあるじゃないですか!! 漢字で『一』って!!」
「え……」
苦節15年。
ついに私もギルドランカーです……!!
もう、なんて言うんでしょうか、ニヤニヤが止まりません!!
「……それ、素?」
「え?」
「はぁ……。ギルドランクってのはね、G~SSSまであんの。分かる?」
「そんくらい常識です!!」
いくら私が馬鹿だからって、その程度の知識は持ち合わせていま……
「……あれ?」
「つまり、そういう事」
「………つぶぁきつぁぁぁあああん!!!!!!」
「はいはい。よしよし」
『―』は1じゃなくて、無しって事だったんですね……。
どうせそうだと思ってましたよ。
私がギルドランカーだなんて、天地がひっくりかえってもあり得ない話ですよ。
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