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彼女がブルブルと体を揺すった時、私の顔に何かが当たりました。
「ん?何か飛んできた?」と、呟いた瞬間、「どこか、怪我してるんですか!?」と、友人が固い声でA女史に尋ねました。
顔を触った指を見ると、それは血液でした。
おどろいて彼女の顔を覗き込むと、潤んだ瞳には人間に対する恐怖が映っています。
耳は他の犬に咬まれていたのでしょうか?
血がついていたり、乾いてかさぶたになっており、へんな形に折れ曲がっています。
長い足も関節と言う関節が、大きなかさぶたに被われています。
そして、尻尾の先――。
血が流れ、骨が見えていました。
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