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暗闇の車中で、裕子は一人携帯をつついていた。
すると、フラフラと歩く人影が、こちらに向かってくるのが見えた。
『麻美ちゃん…。』
どんなやり取りがあったかは分からないが、麻美の涙でぐしゃぐしゃになった顔と、放心しきった様子に、裕子は不安を覚えた。
麻美が、次、何をするのか、分からなかった。
取り敢えず、二人で、伸一が終わるのを車の中で待つ。
ポツポツと会話はしたが、麻美の心はここにあらずだった。
二人の願いは、早く伸一が仕事を終える事だった。
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