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「て、てかお前さ!
何で俺の部屋にいんだよ!?」
肝心なことを聞きそびれていたことに気づいた俺。
「それは、えっと……夕べは、涼真様と別れたあと、自分の部屋に戻りました」
「……それから?」
「涼真様と離れていると、あの、胸がキュンとして……まだ離れたくない、もっと一緒にいたい、と思いまして…」
「……」
面と向かってじゃないのが幸いだ。
だって今の俺の顔、さっきよりきっと真っ赤になってるだろうから。
顔めっちゃ熱いし!
そんな俺の心身など知らず、雫は話を続けた。
「それで、自分でも知らぬ間に、合い鍵の置いてある部屋まで行って、涼真様の部屋の合い鍵を持ち出して……」
「今に至ると?」
「……はい」
正直なこって。
だがしかし、そこは雫。
「ご迷惑、でしたよね」
意識してかしないでか、俺に今にも泣いてしまいそうなくらいの涙目+上目遣いで俺を見つめてくる。
「……」
それを見てしまえば、俺の意思は簡単に削がれてしまう。
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