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先ほどまでは
あんなにも
¨彼の事を知りたい¨
¨彼に会いたい¨
そう思っていた筈なのに、身を隠してしまった自分自身の行動に驚いた。
恐る恐る再び窓を覗くとそこには、
風邪なのか?足元を震わせながら壁沿いを歩く雲雀恭弥の姿があった。
おそらく体調が悪いのだろうと考えながら彼の元へと走る。
先ほど身を隠してしまった自分が嘘のようにも思えた。
そして気がつくと京子は、彼に声をかけていた。
「雲雀さん大丈夫ですか」
「君はこの間の・・・何か用」
自分は弱ってなどいない。と言うような素振りで彼女に問いかける。
「あの、雲雀さん体調悪そうに見えたのでつい声を「僕は別にいつも通りだよ、 そろそろ授業始まるんじゃない教室に戻りなよ」
全てを話す前に言葉を遮られた上、教室に戻れと言われてしまいどうしたものか?と京子は悩んだ。
口では平気だと言うが、白い頬は朱色に変わりとても京子の眼には大丈夫そうには映らなかった。
おとなしく教室に戻った方が良いのであらうか?
やっぱり風邪ですよ と伝えたならば雲雀にしつこいと思われてしまうかもと言う考えが一瞬頭を過ったが、雲雀が無理をして倒れる姿を想像すると京子はいてもたってもいられなくなった。
だが、雲雀が大人しく言うことを聞いてくれるとは思えない。
少々強引ではあるが、京子は雲雀の手首を掴み保健室へ向かうように促した。
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