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と、その時。
不意にシノブが何かの気配を察知したのか、自分の斜め背後へと鋭い視線を向けた。
「誰だ、お前は」
その声にポルコが反射的に顔を上げた先、船長室の入り口に佇む人影を見付けた。
<貴方は、確か研究員の夏目さん>
白衣を船内作業着の上に見に着けたショートカットの乙女にポルコが近付こうとした時、シノブが始めて身体を動かした。
左手は腰のホルスターに納められたトライアルショット(S4部隊での標準装備銃)を眼前に構え、右腕を伸ばしてポルコを制止する。
<隊長?>
「…ポルコ、おかしいとは思わないのか。
あの時船内にいた研究員は皆、実験棟に居たから身動きは取れない。
警報が作動している時は解除コードを知る船員以外は特定の部屋に入室が禁じられる。
夏目研究員は平の隊員だから解除コードは知らない、それにあの時彼女は二階の医務室でDr.ジョンソンの助手をしていたから離れたなんて報告は受けてない。
この数々の矛盾を踏まえてもう一度尋ねる。
・・・・・・・・・・・・
さあ答えろ、お前は誰だ?」
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