第壱話 「旅人」

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…―子供の頃、たった一度だけ両親に連れられて、当時の地球防衛隊本部を覗かせて貰った事があった。 確か、キリヤマという名前の隊長さんだか指揮官さんに手を引かれ、施設内を大雑把に案内して貰っていた時だ。 格納庫を過ぎた辺りからうとうと微睡んでいた私は、足元が覚束なくなり不意に開いた作戦室の扉から出てきた隊員の足に真正面からぶつかってしまったのだ。 慌てる隊員と心配する隊長を余所に、私は大きな欠伸を一つ漏らすどんっ!!゙と一言言って、その隊員に両手を伸ばし。 『おんぶ』 と宣ったそうだ。 因みに言っておくが、本人は全くと言って良い程記憶に無いので、他人事にしか覚えが無い。 …話を元に戻そう。
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